一般の皆さまへ

Q&A

BCGワクチン接種によって結核に対する免疫ができるのはなぜ?

BCG菌は結核菌とよく似た菌であるため、BCGワクチンを接種して作られるBCG菌に対する免疫は結核菌にも効きます。そのため、BCGワクチンを接種した人がその後結核菌の感染を受けると、BCG菌に対する免疫が作用して結核菌が体の中でふえるのを防ぐことができるのです。

BCGワクチンの効果は接種してからどのくらいで得られますか?

個人差がありますが、BCGワクチンを正確に接種できていれば1ヵ月後には十分免疫ができていると考えられます。

BCGワクチン液をなめてしまった場合、体に影響はありますか?

なめたBCG菌をたとえ飲み込んでしまっても、胃酸で死んでしまうので健康に影響はないと考えられています。
もし体調に変化が現れた場合は先生に相談してください。

BCGワクチンを接種した腕の部位に子どもが吐いたミルクがついてしまいました。どうすればいいですか?

清潔な脱脂綿やガーゼ等で接種したところを拭いてください。
アルコールや消毒剤を使うとBCG菌が死んでしまうので使用しないでください。針あとから雑菌が入り込んでしまう可能性もあるので接種したところの観察をして、何かあれば先生に相談してください。

BCGワクチン液が洋服についてしまったらどうすればいいですか?

流水で流すなどしてから洋服はふつうに洗濯してください。

接種した直後に、接種したところに直射日光が当たってしまいました。ワクチンの効果はなくなってしまいますか?

BCG菌は光や熱に弱いので、接種した直後はなるべく直射日光を避けてください。過度に心配する必要はありませんが、接種したところに正常な接種の時のような反応が出てくるか確認してください。

接種したところから血が出ています。どうすればいいですか?

接種直後には針痕から血が出ることもありますが、通常の接種が行われた証拠です。血をふき取るなどせずにそのまま乾かしてください。

BCGワクチン接種後、水泳をしてもいいですか?

接種当日は、水泳などのはげしい運動は避けてください。またその後、接種したところがジクジクしているような時期は、雑菌による感染の可能性があるのでやはり水泳は避けるようにしてください。

針痕(はりあと)が目立たないようにBCGワクチンを足の裏やお尻に接種することはできますか?

BCGワクチンの接種する場所は「上腕外側中央部」と法律(予防接種実施規則)によって定められています。足の裏やお尻に接種した場合、接種したところを清潔に保つことができず、雑菌等による感染の可能性もあります。目立たないようにと、肩の近くに接種した場合にはかえって反応が強くでることもあります。定められた部位以外には決して接種することはできません。

BCGワクチン接種後、針痕(はりあと)が全く見えない、または少ない場合はどうすればいいでしょうか?

BCGワクチン接種後、接種したところに反応が現れる時期や反応の強さには個人差があります。接種後3ヵ月くらいたってから反応が出る場合もあります。心配であれば医療機関または自治体や保健所の予防接種担当課に相談してください。

コッホ現象について教えてください。

すでに結核に感染している人にBCGワクチンを接種した場合に、接種したところに起こる反応がふつうよりも早く、強くでることです。ただし、反応の治り方はふつうよりも早いくらいです(「コッホ現象ってなに?」参照)
コッホ現象は結核感染を受けていることを示すので、その子が結核を発病しているかどうかを確認して、発病していれば治療し、発病していなければ将来の結核発病の予防のために治療を受ける必要があります。

1歳以上の子どもにもBCGワクチン接種を行うことはできますか?

BCGワクチンの接種に年齢制限はありません。1歳以上の子どもにも接種は可能です。
ただし、「定期接種」の期間は法令で「1歳未満」と決められていますので、1歳未満で接種を受け損ねた子でとくに接種の必要がある場合(Q13)には「任意接種」として受けることになります。

定期接種の期間を過ぎてしまった場合、BCGワクチンは接種した方がいいですか?

BCGワクチンは乳児期における結核の重症化を防ぐために行われていますが、未接種であれば1歳過ぎでも結核の予防効果は期待できます。お住まいの地域の結核感染リスクや必要性を考慮してかかりつけの先生とよく相談してください。

BCGワクチン接種の副反応はどういうものがありますか?

BCGワクチン接種による副反応で最も多いのは、脇の下のリンパ節の腫れ(はれ)で、症状が出てくるのは接種から4~6週間後が多いです。大きさは大きくても2cm程度で、2ヵ月程度で小さくなり、消えていきます。通常は様子をみるだけでかまいません。ときに3 cm以上に大きくなる、または化膿(かのう)してうみが出てくることがあります。その時も傷口を清潔にするだけでいいのですが、接種をした先生に相談してください。
次に多いのが皮膚結核様病変で、接種後1~2ヵ月頃、全身に湿疹(しっしん)のようなブツブツができます。これも多くの場合、治療は不要で、1~2ヵ月で治りますが、接種をした先生に相談してください。
頻度は非常に少ないですが、症状が重い副反応として、ショック、アナフィラキシー、骨・関節病変、BCG感染症の報告もあります。
BCGワクチン接種後に何か異常がみられたら、まずは接種した先生に相談してください。

もうすぐ海外に移住する予定の生後間もない乳児にBCGワクチン接種をしても大丈夫ですか?

BCGワクチンは1歳までであれば月齢にかかわらず定期接種の対象となります。移住先が発展途上国または日本と同等以上の結核まん延国であれば月齢に関わらず移住前にBCGワクチンの接種を受けた方がいい場合もありますので、かかりつけの先生に相談してください。

外国から帰国して日本で暮らすことになりました。BCGワクチンを接種していませんが、接種した方がいいですか?

未接種で1歳になるまでであれば日本で定期接種として受けることができますが、1歳を過ぎている場合は任意接種となります。地域の結核まん延の状況などを考慮してかかりつけの先生と相談してください。
*海外でBCGワクチン接種を受けていれば、接種の必要はありません。